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ハンマーフェルトや、響鳴板の材質が違えば、音色は変わります。
良い材質を使った方が、当然良い音がします。
但し、その違いが分かる為には、かなり精密に他の部品が調整されていることが前提となります。
バランスの取れた高級機種ならばその違いは重要ですが、一般機種に部分的に高級材質を使うのは疑問です。
どんなピアノも、きちんと調律師が調整をしなければ、そのピアノのベストな音は作れません。
いくら良い材質のピアノでも、整備不良では良さは発揮しません。
ご来店して頂いた方に、よくこんな話を聞きます。
「ハンマーレールが木で出来ているピアノの方が音が良いと聞いたのですが?」
ハンマーレール(アクション図参照)には、木製と金属製があります。
ハンマーレールの役目は、
①ハンマーが弦を叩くまでの距離を制限してます→ 共振して音色に影響する部品ではありません
②ソフトペダルを踏んだときに、弦までの距離を縮める役目をしています→発生した音とは全く関係ありません
もし、音に影響があるとしたら、音が発生した後にこの部品に当たった音がどう変化するかを考えなくてはいけません。
この部品の近くで計測すれば変化はあるでしょう。
ピアノの音は大きな響鳴板から発生した後、部屋に響いた音を聞いています。
変化したとしても人間の耳で聞き取れる範囲とは、とても思えません。