Q:「整調」って、調整の間違いでは? A: 変換ミスのような言葉ですが、間違いではありません。 調律師の専門用語で、調整することを「整調」と言います。 整調とは、ピアノのアクション(打鍵機構部分)を円滑且つ均一に動作するよう調整する作業です。 一例では、鍵盤上面の高さを揃えるため、0.03mm位のパンチングと言う紙を鍵盤の下に抜き差しします。 全ての鍵盤の高さが均一になるまでこの作業を繰り返して、平面を作ります。 単純で時間を要する作業ですが、演奏者にとっては非常に重要な作業です。 調律や音を作る整音の作業も、整調が整っていないと正しく綺麗に調整することは不可能です。 Tags: 調整, タッチ(弾き心地)
Q:自宅のピアノは、よそのピアノより鍵盤が重いのですが、直りますか? A: 鍵盤を押した時の重さは、製造時に重さを設定して作られています。下記状況だと重く感じ易いです。最終的には、鍵盤に鉛を入れて重さを調整出来ますが、下記作業が整ってから判断します。 ピアノの状態を、調律師にご相談下さい。・設置状況柔らかなものの上(例えば畳の部屋)にある部屋の湿度が高い(理想的な湿度は50%前後)・整調各部品の摩擦状況が悪い 各部品の調整に乱れがある 鍵盤を支えているバランスキーピンやフロントキーピンが錆びている・整音音色が不揃い(ボケてこもっている) Tags: 調整, タッチ(弾き心地)
Q:高い方の2オクターブほどは、全ての音が響いて聞こえますが何故ですか? A:ご指摘の部分からは、音を止める装置が有りません。アクション模型を、 参考にして下さい。ダンパーと言う部品が、最高音側の2オクターブほどは有りません。調律師がお伺いしたときに、この構造を見せてもらいましょう。これよ り高音は弦の長さが短かく、ダンパーを取り付ける余裕が有りません。又、弦振動の時間が短いために、演奏上は音を止める要求が有りません。又、他の部分を弾いたときに、高音側の弦も振動することにより、その響きの豊かさを補助しております。 Tags: 調整, 音色
Q:音色が不揃いな気がするのですけれど。 A: ピアノの音色は、湿度や温度の変化でも変わります。一時的なものか、継続的なものかお知らせ下さい。 音色だけではなく、音量のバランスが良くない場合も考えられます。 安定した音色を維持するには、調律だけでなく定期的な整音や整調が必要です。 整音とは、音を整える作業です。ハンマーフェルトの磨耗が激しい場合は、整形が必要です。 しかし、安易にハンマーフェルトを削ったり整音するのは危険です。 また、鍵盤の高さや深さを揃えるだけでも、ある程度は音色が整えられます。 音色が気になる方は、整音や整調をご検討下さい。 費用は状態により変わりますので、調律師にご相談下さい。 Tags: 調整, 音色
Q:音色は変えられますか? A: ある程度の範囲で、変えることはできます。 まず設置場所の状況、調律の状態、整調の状態、整音の状況を調査します。 文章で音の説明は分かりにくいかもしれませんが、柔らかな音にする場合の一例です。 ・床や室内に吸音材になるものが多くあると場合は、音色はソフトになります。 ・調律をする時に調律師に基音を重視して調律をしてもらうと、ソフトに聞こえます。 ・整調作業により、アクションの運動量を少なくすれば、音色はソフトになります。 ・最終判断になりますが、ハンマーフェルトを柔らかくすると、音色はソフトになります。 反対にハンマーフェルトを硬くすると、音色はハードになります。 調律師にどのように変えたいのか、相談してみましょう。 Tags: 調整, 音色
Q:ピアノを移動した後、調律はいつやるのが良いですか? A: 移動後、出来るだけピアノを新しい環境に馴染ませてあげてください。 ピアノは温度、湿度の変化で音の狂いや内部の調整が変わります。とは言うものの、狂った音で練習できませんので、移動後1週間以上経過したら調律すると良いでしょう。移動したことによるピアノの調整の狂いよりも、移動した後で新しいお部屋の環境に馴染むうちに、徐々に調整が狂う割合の方が大きいのです。 Tags: 調律, 運送